庭の落ち葉や野菜くずを、堆肥づくりに生かせるコンポスト。
でも、ふたを開けたときに強いにおいがすると、「腐ってしまった?」「このまま続けて大丈夫?」と心配になりますよね。
近くの家へにおいが届かないか、気になる方もいるはず。
空気を取り込んで作るコンポストでは、水分が多すぎたり、材料が詰まったりすると、においが出る原因になります。
ただし、密閉して発酵させる容器は管理方法が違うため、どれも同じように混ぜればよいわけではありません。
そこでこの記事では、においから確認したいことと、コンポストの方式に合わせた対処・予防を紹介します!
というわけでこの記事は、「コンポストが臭い原因は?腐敗臭・酸っぱいにおいへの対処と予防」について書きました。
この記事がおすすめな人
- コンポストから腐敗臭や酸っぱいにおいがして困っている方
- 水分や材料の偏りを見直したい方
- 密閉発酵容器との対処の違いを知りたい方
- 庭で堆肥づくりを続けるため、近隣への配慮も考えたい方
コンポストが臭いときは、まず方式を確認
最初に確かめたいのが、空気を取り込む方式か、密閉して発酵させる方式かという点。
木製の箱などで落ち葉や植物くずを混ぜる好気式と、ぼかしを使う密閉発酵式では、ふたの扱いも異なります。
| 方式 | においが気になるときの出発点 |
|---|---|
| 空気を取り込む好気式 | 水分・材料の偏り・空気の通りを確認する |
| ぼかしなどを使う密閉発酵式 | 説明書に沿って水切り・排液・密閉状態を確認する |
| 電動処理機・ミミズコンポスト | 対応する材料と管理方法を製品の説明書で確認する |
密閉発酵式へ、好気式と同じつもりで空気を入れ続ける対処はしないでください。
容器の方式が分かったら、いったん新しい材料の追加を控え、中のぬれ方や塊を確かめましょう。
においを確かめようと顔を近づけたり、深く吸い込んだりせず、刺激や気分の悪さを感じたら作業を中止して離れてください。
腐敗臭・酸っぱいにおい・アンモニア臭の確認ポイント
においは原因を考える手がかりですが、それだけで状態を決めつけないことが大切です。
直前に足した材料や雨の入り方も、合わせて振り返ってみてください。
| 気になるにおい | 好気式で確認したいこと | 最初の対応 |
|---|---|---|
| ドブや腐った卵のようなにおい | べちゃつき、固まった草、空気の通りにくさ | 雨や追加の水を止め、乾いた材料と混ぜる |
| 強い酸っぱいにおい | 湿った材料の塊、投入の偏り | 水分と詰まりを確認し、容器の方式に合う管理へ戻す |
| アンモニアのようなにおい | 新鮮な草など、窒素の多い材料への偏り | 追加を控え、落ち葉など炭素の多い材料を混ぜる |
| 土に近い穏やかなにおい | 材料の形、再発熱の有無、熟成の状態 | においだけで完成と判断せず、ほかの変化も見る |
コーネル大学の資料でも、過湿による空気不足と、窒素の多い材料への偏りは、それぞれにおいの原因として説明されています。
酸っぱいにおいについては、密閉発酵式で漬物のようなにおいがする場合と、好気式で強いにおいが続く場合を分けましょう。
「酸っぱいから成功」「臭いから全部捨てる」と、におい一つで結論を出さないようにしてください。
好気式コンポストの臭いを見直す手順
1.追加を控え、雨と余分な水を避ける
べちゃついているときに、野菜くずや水をさらに足すのは避けたいところ。
ふたや雨よけの状態と、周囲から雨水が流れ込んでいないかを確認しましょう。
野菜くずなどを再び入れるときも、余分な水を切ってから。
水分の目安は、しぼったスポンジのように湿っている状態で、水がたまるほどぬらすことではありません。
- 雨水が直接入り続ける場所を見直す
- 水や汁を材料と一緒に流し込まない
- 湿った草や野菜くずを、塊のまま追加しない
雨よけは必要でも、好気式の通気部分まで密閉しないようにしましょう。
2.乾いた落ち葉などを、少しずつ混ぜる
湿った材料へ合わせたいのが、乾いた落ち葉などの炭素の多い材料。
一度に山ほど足すより、少しずつ混ぜて、べたつきや材料のほぐれ方を見ていきましょう。
落ち葉もぬれて固まっているなら、乾いたものを用意するところから始めてください。
アンモニア臭が気になるときも、新鮮な草などの追加を控え、炭素の多い材料との偏りを整えることが基本です。
使う量は、箱の大きさだけでは決まりません。
おがくずを使いたい場合は、元の木材や混入物を確認する必要があるため、コンポストでのおがくずの使い方も参考にしてください。
3.塊をほぐし、空気が通る状態へ戻す
水分と材料を整えながら、スコップやフォークで固まった部分をほぐします。
底や端に湿った塊を残さないよう、扱える範囲で周りの材料と混ぜましょう。
ただ何度もかき混ぜればよいのではなく、ぬれすぎや詰まりを一緒に直すのがポイント。
においが強い状態での切り返しは、周囲へにおいを広げる場合もあるため、近くの窓や人のいる場所へ風が向かう時間は避けてください。
作業後はすぐ追加を再開せず、べたつきやにおいの変化を確認します。
温度も記録しておくと管理の参考になりますが、温度だけで成否を決めず、コンポストの温度管理と合わせて見ていきましょう。
密閉発酵式の酸っぱいにおいは、説明書に沿って判断
ぼかしを使う密閉容器では、発酵が進むと漬物に似たにおいがすることがあります。
札幌市の密閉容器の案内でも、このにおいと、腐敗による悪臭を分けて説明しています。
強い悪臭がするときは、食べ物の水切り、排液、投入できる材料、ぼかしの使い方を説明書で見直してください。
自己判断でふたを開けっ放しにしたり、水を注いだりするより、その容器に指定された手順へ戻しましょう。
- 水分の多い材料は、指定の方法で水切りする
- 排液が必要な容器は、説明書どおりに管理する
- ぼかしの量や投入方法を、別方式のコンポストと混同しない
密閉発酵後の材料も、そのまま植物の根に触れさせず、説明書にある土中での二次発酵などを経てから使ってください。
臭いがある堆肥は使える?完成を急がないための目安
においが弱くなっただけで、すぐ花壇や鉢へ入れられるとは限りません。
好気式で作る堆肥は、新しい材料の追加を止め、熟成させる分を分けて管理しましょう。
| 見るところ | 使う前に確かめたい変化 |
|---|---|
| 材料の形 | 元の野菜くずなどが目立たなくなっているか |
| 手触り・見た目 | ほぐれた土に近い状態へ変わっているか |
| におい | 強い腐敗臭やアンモニア臭が残っていないか |
| 温度の変化 | 混ぜ直しても大きく熱くなり続けないか |
木片など分解の遅いものが残る場合もあり、日数だけで完成とは言い切れません。
強いにおいや未分解の材料が残る分は、植物の根元へ入れず、状態を整えて管理を続けてください。
どうしても管理を続けられない場合は、自治体へ処分方法を確認しましょう。
臭う材料や液を、側溝・道路・近くの空き地へ流したり捨てたりしないでください。
筆者の自作コンポストでは、今のところにおいは気になっていません
筆者は畑の横に、1m角の木製コンポストを自作して使っています。
ふたがあり、底はなく、側面には通気用の隙間を設けたつくりです。
中には落ち葉や米ぬか、コーヒーかす、木工作業で出たおが粉などを入れています。
今のところ、強いにおいや酸っぱいにおいが気になった経験はありません。
米ぬかの量や頻度は決めず、様子を見ながら投入し、長い専用温度計で中央の温度を測っています。
新しい材料を中央へ入れることで虫はほとんどわかなくなりましたが、これを消臭の効果として確かめたわけではありません。
箱のつくりは自作木製コンポストの実例、虫が気になる場合はコンポストの虫対策で紹介しています。
作った堆肥を芝生に使うのはまだこれからなので、管理を続けながら状態を見ているところです。
近所迷惑を防ぐためにも、普段の投入と置き場所を見直す
対処を繰り返すより、材料が偏らないように少しずつ入れる習慣をつけたいですね。
家庭の好気式では、肉・魚・乳製品・油の多い食べ物などは避け、庭の植物くずや対応する野菜くずを中心に扱いましょう。
- 乾いた落ち葉を、雨にぬれない場所へ取り分けておく
- 草や野菜くずを、一度に大量に入れない
- 雨よけと通気の両方を確保する
- 開けたときに、ぬれ方・塊・においの変化を見る
米ぬかや発酵促進剤を追加すれば、どんな臭いでも解決するわけではありません。
石灰などでにおいを消そうとする前に、水分と材料の偏りを見直してください。
置き場所も、隣家の窓や出入口へにおいが届きやすくないかを確認しましょう。
落ち葉から始める手順は、落ち葉堆肥の作り方にまとめています。
混ぜる作業の道具と、手を守る準備
材料をほぐすときは、スコップやフォークを使い、手を直接差し込まないようにしましょう。
ふたの開閉や道具を持つ作業には、 3M コンフォートグリップグローブ マルチタイプ のような一般作業用手袋も候補です。
コンフォートグリップグローブ は、ナイロンの編み手袋に合成ゴムをコーティングしたつくり。
薬剤や熱い堆肥を扱うための手袋ではなく、においや粉じんから呼吸を守るものでもありません。
道具を持つ手に合うサイズを選びたい方には、 3M コンフォートグリップグローブ マルチタイプ も選択肢です。
粉が舞うときは適切な防じんマスクを使いますが、防じんマスクでにおいの原因となるガスまで防げるわけではありません。
作業後は手や道具を洗い、刺激や体調の変化があれば作業を再開しないでください。
コンポストの臭い対策:まとめ
この記事は「コンポストが臭い原因は?腐敗臭・酸っぱいにおいへの対処と予防」について書きました。
においが気になるときは、最初にコンポストの方式を確認することが出発点。
- 好気式では、水分・材料の偏り・空気の通りを見直す
- 密閉発酵式では、説明書に沿って水切りや排液を確認する
- においだけで完成と決めず、使う前に熟成した状態を確かめる
無理に追加を続けず、まずは雨の入り方と、材料の塊を確かめてみてください。
身近な落ち葉を生かしながら、続けやすい堆肥づくりに整えていきましょう。