果樹の枝を整えて、その後に実を収穫するなら、役割を分けてそろえたいのが剪定ばさみと収穫ばさみ。
見た目は似ていますが、硬い枝を切る力と、果実の近くへ刃先を運ぶ細かさでは、求められる形が違います。
でも、初めて選ぶときは、「剪定ばさみで果実の軸も切れる?」とか、「細い枝なら収穫ばさみでも大丈夫?」と迷いますよね。
結論からいうと、木質化した枝には剪定ばさみ、果実の軸や柔らかい茎には収穫ばさみを使うのが基本です。
筆者もぶどうや桃の剪定、びわの収穫などで刃物を使い分けてきましたが、切る対象に合う道具へ持ち替えた方が、余計な力をかけずに作業できます。
そこでこの記事では、剪定ばさみと収穫ばさみの違いを、切る対象・刃の形・握り方・向いている作業から解説します!
この記事を読めば、はさみを持ち替える場面と、りんごのように手摘みする場面が分かり、刃や果実を傷める失敗も減らせますよ♪
というわけでこの記事は、「剪定ばさみと収穫ばさみの違い|果樹作業で使い分けるポイント」について書きました。
この記事がおすすめな人
- 剪定ばさみと収穫ばさみの違いを知りたい方
- 果実の軸を剪定ばさみで切ってよいか迷っている方
- 収穫ばさみで細い枝まで切れるか確認したい方
- ぶどう・桃・りんご・びわの道具をそろえたい方
- 枝と果実を傷めにくい持ち替え方を知りたい方
剪定ばさみと収穫ばさみの違いを一覧で比較
2種類の違いを先にまとめると、剪定ばさみは枝を切る道具、収穫ばさみは果実の軸や柔らかい茎を狙う道具です。
| 比較項目 | 剪定ばさみ | 収穫ばさみ |
|---|---|---|
| 主な対象 | 果樹・庭木の生木、木質化した枝 | 果実の軸、ぶどうの房、野菜や花の茎 |
| 刃の作り | 枝を挟める厚みと開きがある | 果実の近くへ入れやすい細刃・短刃・曲刃など |
| 力のかけ方 | グリップ全体を握り込んで切る | 指先で刃先の位置を調整して切る形が多い |
| 得意な作業 | 不要枝・枯れ枝・徒長枝の整理 | 採果・摘粒・摘果・柔らかい茎の切断 |
| 苦手な作業 | 密集した果実の間へ刃を入れる作業 | 硬い枝・太い枝を力任せに切る作業 |
| 持ち替えの目安 | 軸ではなく枝そのものを切る | 残す果実の近くで軸だけを切る |
剪定ばさみは刃と受刃で枝をしっかり挟み、グリップへかけた力を切断へ伝えやすい形です。
収穫ばさみは切断力よりも、果実や粒の間へ刃先を運び、狙った軸だけを切る操作性が重視されています。
商品名では「剪定鋏」「採果鋏」と表記されることもありますが、2種類の違いは切断対象と刃先の動かし方にあります。
剪定鋏は枝へ力を伝え、採果鋏は果実の近くで軸を狙う道具と覚えましょう。
枝を切る1本を探す方は、手動の剪定ばさみおすすめ6選で手の大きさと切断目安を比較できます。
果実の近くで使う刃先を選びたい方は、果樹用収穫ばさみおすすめ6選も確認してください。
役割が分かれば、作業前に迷わず2本を準備できますよ♪
剪定ばさみと収穫ばさみで形が違う理由
同じ「切る」道具でも、相手が硬い枝か、傷つきやすい果実のそばにある軸かで、適した形は変わります。
切る対象は生木の枝か果実の軸か
剪定ばさみは、果樹や庭木の生木を切るための刃物です。
たとえばアルスVS-7Zは、メーカーが切断対象を生木・茎、切断目安を15mmと案内しています。
一方、ぶどう鋏320DX-M-BPの切断対象は茎で、ぶどうの摘果・収穫へ使うソリ刃タイプです。
外見が細身でも、収穫ばさみの刃へ木質化した枝を挟み、左右へこじってはいけません。
刃先の曲がりやかみ合わせのずれにつながるため、枝になった時点で剪定ばさみへ持ち替えます。
枝を挟む刃と果実へ当てにくい刃を使い分ける
一般的なバイパス式剪定ばさみは、切刃と受刃がすれ違い、生木を狙った位置で切りやすい構造です。
刃元まで枝を入れて握るため、短いグリップのはさみよりも力を伝えやすくなります。
収穫ばさみは、果実の形と作業内容に合わせて刃先を選ぶのがポイント。
- 細い直刃・先丸刃: ぶどうの房へ入り、粒の間で軸を狙う
- ソリ刃: ぶどうの摘果や収穫で、房の内側へ刃先を運ぶ
- 曲刃・反刃: 柿・梨・柑橘など、丸い果実へ刃先を当てにくくする
- 少し長い刃: 野菜や花の柔らかい茎を挟みやすくする
「細い刃ほど何でも切りやすい」という意味ではなく、果実の周囲で小さく動かすための形です。
果樹と作業内容が決まっていれば、必要な刃先も自然と絞れます♪
握り込む作業と指先で狙う作業に分かれる
剪定ばさみは、バネで開くグリップを手のひら全体で握り込み、枝を一度で切る使い方が基本です。
刃が止まったときに両手で握ったり、体重をかけたりすると、刃の破損や手のけがにつながります。
収穫ばさみには指穴のあるタイプやバネで開くタイプがあり、果実を支える手と刃先の位置を見ながら小さく開閉します。
筆者がびわの収穫で気を付けているのも、果実を握り込まず、下から支えて軸の位置を見てから刃を入れることです。
道具が軽くても、刃の延長線上へ指が入れば危険なのは同じです。
切る前に支える手の位置を決め、枝や葉をかき分けながら刃を動かさないようにしましょう。
果樹作業ではいつ持ち替える?
剪定から収穫まで同じ木を手入れするときは、季節だけでなく、今から切る部分を見て判断します。
ぶどうは枝の整理と摘粒・収穫で持ち替える
ぶどうの休眠期に木質化した枝を整理するときは剪定ばさみを使います。
生育期の摘粒や、収穫時に房の軸を切る場面では、細身のぶどう鋏が作業しやすい組み合わせ。
房の内側で剪定ばさみを大きく開くと粒へ触れやすいため、枝の作業が終わったら一度ケースへ戻しましょう。
枝の整理と房まわりの作業を分けると、果実へ大きな刃を近づけずに済みますよ♪
桃・びわは軸を見て、りんごは手摘みに分ける
桃・りんご・びわの不要枝を切る場面では、枝の太さに合う剪定ばさみを選びます。
収穫方法は果樹によって異なるため、すべてを収穫ばさみで切るわけではありません。
- 桃・びわ: 軸を切って収穫する方法なら、果実へ刃先を当てにくい曲刃や短刃が候補
- りんご: 果実を持ち上げる手摘みが基本で、つるが枝側へ残らないよう丁寧に外す
筆者は桃やびわの枝を整理するとき、先に残す枝を決めてから刃を入れるようにしています。
果実のそばでは切断力を優先せず、果実と支える指に刃先が触れない位置を確保してください。
剪定ばさみで切れない枝は収穫ばさみに替えない
剪定ばさみの刃が止まった枝へ、細い収穫ばさみを試すのは逆の持ち替えです。
切れない理由が枝の太さや硬さなら、太枝切りばさみや剪定のこぎりへ替えましょう。
枝径と高さから必要な道具を決めたい方は、果樹の剪定道具おすすめ7選で使い分けを確認できます。
剪定時期そのものは、果樹の剪定時期カレンダーにぶどう・桃・りんご・びわの目安をまとめています。
2本そろえるなら役割が重ならない組み合わせを選ぶ
剪定と収穫の両方をするなら、中途半端に似た2本ではなく、役割がはっきり違う組み合わせが便利です。
- 剪定用: 自分の手でグリップを無理なく開閉でき、庭の枝径に合う切断目安
- 収穫用: 育てている果実の間へ入りやすい刃先と、連続作業で負担になりにくい重さ
- 共通: ロックを備える製品か、刃を覆えるケースを使え、樹液・果汁を拭き取りやすい構造
VS-7Zは生木の枝、320DX-M-BPはぶどうの軸を切る役割が明確な2型番です。
筆者はこの2型番を使用していないため、手持ちの道具と用途が合うか照らし合わせる比較例として見てください。
それでは、役割が違う2型番を紹介していきます。
アルス VS-7Z|果樹の生木を切る剪定ばさみ
果樹の細枝を剪定したい方におすすめなのが、アルスの「 VS-7Z 」です。
全長180mm・質量212gで、小さめの手にも合わせやすいグリップです。
切断目安15mmの高炭素刃物鋼を採用し、果樹の細枝を刃元で挟めます。
ワイドに開く刃と打ち合いクッションを備え、庭木や果樹の生木を手元で切るための形です。
アルスの「 VS-7Z 」は切断目安を超える枝へ無理に使わず、刃が止まったら太枝用へ持ち替えてください。
アルスの「 VS-7Z 」は、手元の生木を小型グリップで剪定したい方におすすめな剪定ばさみです♪
アルス 320DX-M-BP|ぶどうの軸を狙う収穫ばさみ
ぶどうの房を手入れして収穫したい方におすすめなのが、アルスの「 320DX-M-BP 」です。
全長155mm・質量45gで、房まわりの連続作業に取り回しやすい軽さです。
刃長30mmのステンレス製ソリ刃が、ぶどうの粒の間で軸を狙う作業に向いています。
剪定ばさみより細身で軽く、ぶどうの房へ刃先を運びながら摘果・収穫するための形です。
アルスの「 320DX-M-BP 」は切断対象が茎のため、木質化した枝へ力をかけないでください。
アルスの「 320DX-M-BP 」は、ぶどうの摘果から収穫まで軽い1本を使いたい方におすすめな収穫ばさみです♪
VS-7Zは枝用、320DX-M-BPはぶどうの軸用と、切断対象が重ならない2本です。
実際に選ぶときは、剪定する枝の太さと、収穫する果実の形を先に決めてください。
剪定ばさみと収穫ばさみを安全に使うポイント
2本を同じ作業場所へ持ち込むときは、使っていない方の刃を閉じておくことが大切です。
- ロックを備えるはさみはロックをかけ、ない場合はケースへ収納して安定した場所へ置く
- 刃の進路と、枝や果実を支える手を離す
- 刃が止まったらこじらず、切断対象に合う道具へ持ち替える
- 脚立の上では両手に道具を持たず、ケースへ収納して移動する
- 使用後は樹液や果汁を拭き取り、取扱説明書に沿って清掃・注油する
- 病気が疑われる枝を切った後は、地域の指導とメーカーの案内に沿って道具を清掃する
切れ味が落ちて余計な力が必要になった剪定ばさみは、無理に使い続けないでください。
刃の手入れは、剪定ばさみの研ぎ方で研ぐ面の見分け方から確認できます。
高い位置の果実や枝へ背伸びして届かない場合は、安定した地上用道具を使うか、専門業者へ相談しましょう。
剪定ばさみと収穫ばさみに関するよくある質問
剪定ばさみで果実を収穫できますか?
果実の軸を切れる場合でも、大きな刃を密集した果実の間へ入れると、実や周囲の枝へ触れやすいのが難点。
丸い果実の近くやぶどうの房では、軸を狙いやすい収穫ばさみを選ぶと、実や周囲の枝へ刃を当てにくくなります。
収穫ばさみで細い枝を切ってもよいですか?
商品が切断対象として生木を示していないなら、見た目が細い枝でも使用を避けます。
木質化した枝は剪定ばさみ、柔らかい茎や果実の軸は収穫ばさみと分けましょう。
果樹1本だけでも2種類必要ですか?
枝の剪定と果実の収穫を両方するなら、2種類をそろえる意味があります。
剪定だけ、または収穫だけなら、作業内容に合う1本から始めても問題ありません。
剪定ばさみと収穫ばさみの違い:まとめ
この記事は「剪定ばさみと収穫ばさみの違い|果樹作業で使い分けるポイント」について書きました。
剪定ばさみは木質化した枝へ力を伝える道具、収穫ばさみは果実の近くで軸や柔らかい茎を狙う道具です。
ぶどう・桃・びわは枝か軸かを見て持ち替え、りんごは栽培者や地域の収穫方法を確認して手摘みを基本にします。
2本の役割を分ければ、刃や果実を傷めにくくなり、余計な力をかけずに果樹作業を進められますよ♪
切る対象と自分の手に合う道具を選び、安全な剪定と収穫を楽しんでください♪